情報更新日:2015/01/30
AEDとは
AED(自動体外式除細動器)とは
AEDは自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator)の略称です。
これは心臓突然死の原因のひとつである心室細動(VF)と呼ばれる不整脈により、心臓が細かくけいれんを起こして、心臓のポンプ機能が十分に働かなくなった状態に、電気ショックを与えることで、元の心臓のポンプ機能を取り戻させるための医療機器です。AEDは、心電図を自動的に解析し、音声ガイダンスやイラスト表示により適切な指示をしてくれますので、一般の人でも、簡単に使うことができるように設計されています。
なぜAEDが必要なのか
1分1秒でも早いAED使用が救命につながります。
心臓が停止してしまった場合に、できるだけ早い心肺蘇生(CPR)と電気ショックを行うことがとても重要です。心室細動(VF)による心停止後の退院にいたる救命の可能性は1分ごとに約7〜10%低下するとも言われています。心停止に対する対処は、一刻も早いAEDの使用が望まれます。
救命の連鎖の重要性
突然の心停止から傷病者を救命し、社会復帰に導くためには、(1)心停止の予防、(2)早期認識と通報、(3)早い心肺蘇生と除細動(一次救命処置:BLS)、(4)救急隊や病院での処置(二次救命処置:ALS)の4つが連続して行われることが必要です。これを救命の連鎖といいます。
この4つのうち、どれか1つでも途切れてしまえば、救命効果は低下してしまいます。
(1)心停止の予防とは、突然死の可能性のある傷病を初期症状で気づくことにより、未然に防ぐことです。
(2)早期認識と通報とは、突然倒れた人や反応がない人を見つけたら、直ちに大声で助けを求め、119番通報、AEDの搬送を依頼し、救急隊等が少しでも早く到着するように努めることです。
(3)早い心肺蘇生と除細動(一次救命処置)とは、誰にでもすぐに行える処置であり、心停止の傷病者の社会復帰に大きな役割を果たします。
(4)救急隊や病院での処置(二次救命処置)とは、専門的な治療で心拍を再開させ、社会復帰を目指した高度な治療を行うことです。
バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)となる私達は、この救命の連鎖のうち、最も重要な(2)と(3)の鎖を担っています。
心肺蘇生について
心肺蘇生(CPR)とは、反応と普段どおりの呼吸がなく、呼吸と心臓が停止もしくはこれに近い状態に陥った時に、呼吸と心臓の機能を補助するために「胸骨圧迫」と「人工呼吸」を行うことをいいます。
(※心肺蘇生は、英語で cardio(心臓) pulmonary(肺) resuscitation(蘇生)といい、
頭文字をとって、CPRと略称されています。)
救命とJPAD使用の手順
ガイドライン
JRC(日本版)ガイドライン2010への対応について
JRC(日本版)ガイドライン2010では、1歳未満の乳児へのAEDの適応が推奨され、これまで1歳以上8歳未満とされていた小児の区切りが未就学児(およそ6歳未満)と規定されました。
弊社が販売しております、自動体外式除細動機 ジェイパッドCU-SP1は、ガイドライン2010に対応しています。
ガイドライン2010のポイント
気道確保は不要(訓練を受けた救助者が人工呼吸をするときは人工呼吸の直前に行う) |
呼吸確認は「見て・聞いて・感じて」が廃止された これは簡略化よりも死戦期呼吸=心停止を見逃さないという方が大きい |
胸骨圧迫最優先 ガイドライン2005までは「気道確保(A)―人工呼吸(B)―胸骨圧迫(C)」だったが胸骨圧迫が先になった |
胸骨圧迫の位置は「胸の真ん中」。「両乳首の真ん中」は削除された。衣服の上からで良い |
胸骨圧迫の深さが「4〜5cm程度」から「5cm以上」に。 (小児や乳児の場合は胸の厚みの1/3) |
胸骨圧迫のテンポが「100回/分程度」から「100回/分以上」に変更 |
CPRを習熟していない市民救助者は人工呼吸はやらなくても良い 訓練を受けた救助者の場合でも人工呼吸の為の胸骨圧迫中断は最小にすべきとしている ただし、小児や乳児は窒息の場合いが多く、溺水の場合と合わせて人工呼吸を優先する |
乳児にもAEDが使えることになった。 |
JRCガイドライン2010(BLS:一次救命処置)の主な変更点・追加点
ガイドライン2005 | ガイドライン2010 | |
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119番通報とAEDの手配後の処置 | 気道確保(A)⇒人工呼吸(B)⇒胸骨圧迫(C) | 胸骨圧迫(C)⇒気道確保(A)⇒人工呼吸(B) |
胸骨圧迫の速さ | 1分間に約100回の速さ | 少なくとも、1分間に約100回の速さ |
胸骨圧迫の深さ | (成人の場合)およそ4〜5?沈むまでしっかり圧迫 | (成人の場合)少なくとも5?沈むまで圧迫 (小児・未熟児の場合)胸の厚さの約1/3沈むまで圧迫 |
1歳未満の乳児 | 小児用パッドの使用は禁忌 | 小児用パッドの使用拡大 |